GIGANTIC ARMYの時代(ラムロン編)

GIGANTIC ARMYの時代(ラムロン編)


■■ゴゴー軍団崩壊の影響■■
 「ゴゴー軍団」とは征服した星系の住人、資源、科学技術を支配下において拡大していった恒星間軍事組織である。
 その実態は、軍そのものを維持するために侵略を繰り返す軍隊という非合理的なもので、その母星も侵略の起源さえも分かっていない。

 ゴゴー軍団は原始的な惑星「地球」との戦闘で予想外の敗北を喫し、その結果、軍団は崩壊した。  地球がゴゴー戦争での勝利をきっかけに飛躍的に進歩したのと対象的に、ゴゴー軍団を構成していた異星文明圏は、軍団の崩壊と同時に混乱期に入っていた。

 ゴゴー軍団が征服した惑星には、コンピュータ総督を置き、各惑星はその命令に従っていた。  しかし、1978年の「ゴゴー戦争」の敗戦により、軍団の支配下にある全惑星のコンピュータが突然機能を停止してしまった。
 コンピュータ総督はエネルギー、食料の配給、交通、通信などのインフラの制御も兼ねていたため、軍団支配下の惑星は大混乱に陥った。
 各惑星には、多くの宇宙艦や、侵略ロボ等、ゴゴー軍団の兵器が配備されていたが、それらには反乱防止のためのプロテクトがかけられており、コンピュータ総督の機能停止と共に全て使用不能になってしまった。
 そのため、地球と同じようにゴゴー軍団のテクノロジーを一刻も早く解析する事が、各惑星の目標となった。
 地球と異なる点は、他の惑星上にはゴゴー軍団の遺産が潤沢にあった事だが、長きにわたるゴゴー軍団の管理体制を失ったそれぞれ惑星の復興は、文明が崩壊する寸前から始まったのだ。
 惑星復興後も、他星系への領土拡大を狙う星、内戦が続き疲弊しつつある星など政情は様々であり、ゴゴー軍団に支配された時代を懐かしむ者も多かった。


■■ラムロン星対ゴゴー軍団■■
 ラムロン星もゴゴー軍団の侵略を受ける前は、地球と同じように独自の文明を持つ惑星だった。
 特に重工業が発達しており、エネルギーを大量に消費する大型機械を効率良く運用する特徴があった。
 ラムロン星には、そらを使用してゴゴー軍団の侵略に抵抗した記録も残されている。

 地球でのゴゴー戦争は、主に超電気科学研究所がゴゴー軍団に対して孤軍奮闘していたが、科学力の進んでいたラムロン星はゴゴー軍団に対して、惑星が一致団結して戦力を結集して迎撃体制をとる事ができた。
 ラムロン星はゴゴー軍団の侵略に対して発電所と大工場を一度に兼ね備えた「塔」を中核とした防衛システムを構築した。
 ラムロン軍の兵器は、塔から放射される高出力のエネルギーを受けて起動している。このため、通常の核融合エンジンでは動かせないほどの大型の兵器を動かす事も可能なのである。
 大型兵器を動かすエネルギー炉を持っている塔の防御シールドは、ラムロン科学陣が考えうる、あらゆる兵器の攻撃に耐える事ができた。



「塔」(ラムロン戦争時のもの)


 しかし、ゴゴー軍団の兵器の威力はラムロン人の想像をはるかに超えていたのである。
 たしかに塔はゴゴー軍団の量産型侵略メカの波状攻撃を見事に防ぐ事はできた。

 その後、出現したのは滑らかな円筒形の戦闘艦だった。
 これは地球でバルカイザーと交戦した「ハマキンガー級母艦」の同型艦である事がラムロン戦争後に判明している。


地球に出現した「ハマキンガー級母艦」

 円筒形母艦は緑色のビームを塔の防御シールドに向けて放射した。
 防御シールドは白熱し、抵抗し、やがて崩壊した。塔は金属の濁流と化し周囲を飲み込んだ(ちなみにバルカイザーはこのビームの直撃に耐えている)。
 全ての塔はゴゴー艦の攻撃により次々と消滅していき、ラムロン星はゴゴー軍団の軍門に下った。
 ゴゴー軍団が地球に破れるまで、ラムロン星は超大型侵略メカを作るための大工場の役割を担う事になったのである。
 しかし、永きに渡ってラムロン星を支配していたコンピュータ総督は突如動きを止めた。ゴゴー軍団の崩壊が始まったのである。

■■ゴゴー軍団崩壊後■■
 この大崩壊に対してラムロン人達がとった生きのびる手段は、軍団が残した莫大な資材を使って惑星を元に戻す事だった。
 まず、「塔」を再建し、大型機械を起動させるのである。
 ラムロン星も他の惑星同様疲弊しきっていたが、ゴゴー軍団の持ち込んだ様々な技術、特に「腕を持ち、歩行する大型機械」の再現はラムロンの技術力があれば可能だった。
 そして、その技術を生かした作業機械がラムロンに最も必要とされている技術だったのである。

 次に行うべきは、外敵による侵略への対処だった。
 ラムロンの作業機械は、またたく間に兵器に変えられた。
 当時の地球が「重MCR」と呼んだ大型兵器は、ラムロンでは中型兵器にも区分されている。
 もっとも、ラムロン兵器は作業機械を再設計したものが多いため、ラムロン兵器の大きさとMCRの戦闘力と単純に比較する事はできない。


都市建設用から、戦闘用に改造された「クフラミヴ級歩行要塞」

 ラムロン軍の問題は、塔のシールド出力がゴゴー軍団の侵略時よりもはるかに低い事だった。
 相手がチャトラム人であれば、確実に守りきる事ができる。
 しかし、もしゴゴー軍団が再び攻めて来た場合は、勝利する見込みはほとんどない。
 そんな折、ラムロン宇宙艦隊から通信が入った。
 突如、謎の艦隊がワープアウトし、多数のラムロン艦が配備されている、タリダ星系に接近しつつあるというのである。

■■タリダ恒星系の戦い■■
 タリダ星系はゴゴー軍団の統治時代にチャトラム人と協同で管理していたが、軍団消滅の混乱期に全住民が死滅してしまった。
 ラムロン星に最も近い恒星系だったため、ラムロン軍はこの星を防衛拠点としていた。
 防衛拠点と言っても、チャトラム人の宇宙海賊を追い払うのが主な任務である。
 ラムロン艦隊の欠点は、地上軍が使用している塔のエネルギーを使えない事だが、海賊相手には充分な戦力を保持していた。

 しかし、今回遭遇した敵艦隊は海賊船などではなかった。
 圧倒的な機動力と攻撃力を持ち、ラムロン艦を次々に破壊していく「本物の」戦闘艦隊だったのだ。
 ラムロン艦隊の敗北が決定的になった時、敵艦隊から通信が入った。
 「地球」と名乗る惑星が、チャトラム人が管理していたタリダ恒星系の領有権を主張し、同時に本星であるラムロンの降伏を勧告してきたのである。

■■ラムロン戦争へ■■
 ラムロンは降伏しなかった。敵がゴゴー軍団ではないと分かった事の安心感が惑星全体を覆っていた。
 ラムロン人は二度と異星人に屈するつもりはなく、カレット戦時首相のもと着々と戦闘準備が整えられた。


カレット戦時首相

 ラムロン母星の守備艦隊のうち、惑星に降下できるものは全て地上軍に編入され、敵航空戦力との戦闘に備えた。
 惑星上では、懐に入った地球軍を弱らせ、喰いちぎる用意を整えていた。

 タリダ恒星系での電撃的勝利に酔いしれる地球には、そのような事態は想定外だった。
 TDF(地球防衛軍)の慢心は、ラムロン星での地上戦が開始されるとともに、徹底的に打ち砕かれる事になったのである。



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