GIGANTIC ARMYの時代(地球編)

GIGANTIC ARMYの時代(地球編)


■■宇宙時代の幕開け■■
 1977年に始まった異星人による侵略。いわゆる「ゴゴー戦争」は破壊と災厄と共に、地球に大きな技術革新をもたらした。
 特に1997年に実用化されたワープエンジンにより、地球人類の活動範囲は飛躍的に広がった。
 地球はゴゴー軍団の残党や秘密結社による様々な危機を乗り越えて、宇宙へと進出していったのである。


■■チャトラム戦争■■
 ゴゴー軍団の侵略を受けた事で、地球人の異星人に対する感情は極めて悪かった。
 もっとも、ゴゴー軍団の構成員のほとんどは、もとをたどれば侵略された星々の住民である。
 しかし、その事実を知らない地球人に「異星人=侵略者」という恐怖心が定着したのは無理からぬ事であった。

 TDF(地球防衛軍)は太陽系内のアステロイドベルトに艦隊基地を築き、防衛ラインを拡大しつつ、資源を蓄えていった。
 殖民星開拓の第一歩として、地球艦隊が駒を進めたのは、地球から最も近い恒星系アルファ・タリオン星系である。

 アルファ・タリオン星系、第三番惑星に入植してまもなく、地球艦隊はチャトラム人艦隊に遭遇し交戦。辛くも勝利した。

 TDFにとって不慣れな異星人との宇宙戦闘であったにも関わらず、地球艦隊が勝利する事ができたのは奇跡に近かったと言えるだろう。
 アルファ・タリオン星系はTDFにとって宇宙開拓のための重要拠点だったが、チャトラム人にとっては入植候補地にすぎなかった事も幸いした。

 その後も地球艦隊は様々な恒星系で、チャトラム人を筆頭に様々な異星人との戦闘を繰り返した。
 地球軍も独立したチャトラム軍も、恒星間戦争に不慣れな事もあり、戦略的にも、資源的にも無価値な宙域を奪い合う事もきわめて多かった。
 当時は戦時星間法も無く、宇宙艦隊戦は他の星系の艦隊と遭遇すると、宣戦布告無しで戦闘を開始していたからである。

 2007年にチャトラム星軌道上での宇宙戦に地球艦隊が勝利した時点で、チャトラム政府のカンカル統制官は降伏し、地球の勢力圏に入る事となった。
 これが「チャトラム戦争」である。


カンカル統制官

 もともとチャトラム人は外宇宙を放浪する事への興味はあっても、自治権に対する関心は薄く、地球の統治を比較的あっさりと受け入れた。
 チャトラム星はゴゴー軍団の侵略を受ける前から豊かな星ではなく、むしろゴゴー軍団の軍事物資によって潤っていたのである。
 地球人が入植した事は、統治者がゴゴーから地球に変わっただけであり、再び恩恵を受けられるという認識だった。
 宇宙を放浪し、半ば海賊化した船団も、チャトラム星に戻ってきたものが少なくなかった。
 ゴゴー軍団を倒したバルカイザーの名は「ゴゴー軍団から宇宙を開放した英雄」としてチャトラム人にも知れ渡った。

 チャトラム戦争は地球にとって初めての恒星間戦争だった。
 しかし、これが地球の星間戦争に対する認識を大きく誤らせたのも事実である。


■■艦隊万能主義■■
 艦隊万能主義は「恒星間戦争は敵母星の制宙権を奪う事で勝利が達成される」という思想のもとに成り立っている。
 このため、もともと少なかった有重力化での兵器開発予算は大幅に削られる事となった。

 とくに打撃を受けたのがMCR(有人戦闘ロボット)の開発予算の縮小である。
 MCRに対する軍の開発要求仕様には、「低コストである事」という項目が必ず入っていた。
 このため、各社は性能に劣るが安価で量産可能なMCRを開発し続けたのである。
 MCRは主にチャトラム星の暴動鎮圧用に配備されたが、それらは既存のMCRか、新型だが低性能なMCRで十分だった。
 それが現実に即していない事が明らかになったのが、2009年に勃発した「ラムロン戦争」である。


■■MCRの復権■■
 ラムロン人は宙域を制圧するだけでは降伏しなかった。
 そうなると、ラムロン母星の制圧をしなければ戦争は終わらない。
 しかし艦隊万能主義をとっていたTDFは、敵母星の制圧をするだけの空軍、陸軍の準備を整えずに戦争を始めてしまったのである。
 対するラムロン地上軍(ラムロン軍には「陸海空軍」の区別が無い)は、移動要塞とも言える兵器を惑星上に多数配備しており、
 それらに対して地球軍は有効な対策を採ることができなかった。

 ラムロン地上軍に対抗可能、かつ惑星制圧の決め手となる万能兵器が、今まで軽視されていたMCRである事が、ラムロン戦争で明らかになったのである。

 地球軍は大慌てでMCRの開発・生産にリソースを振り分ける事に決定した。

 生産数が抑えられていた新型の空戦用MCRの大量生産が始まり、それらは巨大な敵に対し機動力で対抗した。
 ラムロン軍の要塞クラスの兵器に対し、バルカイザーの大きさを遥かに上回る超大型空戦用MCRの量産化も行われた。
 幸い、空軍所属のMCRは、動きの鈍いラムロン軍に対して戦術的優位に立っていた。
 しかし、量産化が始まったとはいえ、MCRの数は常に不十分であり、戦略的には劣勢に立たされていた。
 さらに「塔」と呼ばれるラムロン軍の超大型要塞に対して無力である事が、戦局をますます不利なものとしていた。


空戦用MCR ライトニング


■■惑星強襲艦■■
 大量のMCRや、惑星強襲艦を地球に要請したのは、対ラムロン軍指令官ヒロコ・ナカヤ中将である。
 ゴゴー戦争時、ラムロン人に恩師を目の前で殺害された過去を持つ彼女には、撤退や休戦という選択肢は無かった。

 ナカヤ中将がラムロン星に大量に投入した兵器が「惑星強襲艦」である。
 これらは大気圏突入が可能な宇宙艦を敵母星に強硬着陸させ、そのまま軍基地とする特殊艦であり、
 指令艦、輸送艦、レーダー艦など、様々な艦種が惑星強襲艦として生産された。
 既存の艦を改造したものもあれば、レーダー艦のように着陸後に艦首を変形させ、レーダーを展開する新造艦もあった。
 惑星強襲艦は純粋な宇宙艦と異なり、居住性は犠牲にされており、兵士達は狭い部屋と異臭に常に悩まされた。


レーダー艦

 惑星強襲艦は敵が予測不能な場所に奇襲攻撃をかけ、橋頭堡を確保する目的で運用され、一定の効果を上げる事に成功した。
 もっとも、強襲艦にも甚大な被害が出た事を考えると、単に成功とは言い難い面も多い。
 機動力の高い空戦型MCRは強襲艦と連携して、ラムロン軍に対する電撃戦を繰り広げた。
 それに対して安価な陸戦型MCRは、主に艦隊の護衛任務と孤立無援の陽動作戦という、被害は大きく、戦果に乏しい任務についていた。

 そんな中、20世紀に開発されていたにもかかわらず、ラムロン戦争で多大な戦果を上げた陸戦型MCRが存在した。
 それが「サラディン」である。


■■GMR−34 サラディン■■


サラディン

 サラディンは単体で大型MCRを破壊する能力を持つ、20世紀末における陸戦型MCRの最高傑作である。
 艦隊万能主義が主流になる寸前に生産された機体であり、それ故に高性能を求められたMCRだった。

 サラディンはラムロン前線の陸軍から、配備を強く要求されていたが、空軍に比べて発言権の弱い陸軍の要請は後回しになっていた。
 そもそもサラディンは生産数が少なかったため、陸軍の希望を満たす事は到底かなわなかった。
 空戦用MCRはわずかな改造で宇宙戦闘にも対応できるが、陸戦型MCRはいくら高性能でも、宇宙戦を主体とした時代には活躍する機会が全く無かったためである。

 陸戦に特化したMCRの実力が発揮されるのは、ラムロン戦争が末期にさしかかった頃であった。



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