同人ゲーム製作の心理学 第7回
■■問題が起こったら■■
前回、グダグダ期そのものは問題では無いと書きました。
そうは言っても、ゲームを創っていると、必ず何らかの問題にぶちあたります。
「どうも面白くならない」
「仲間同士の連携がとれない」
「交通事故にあった」
「バグがとれない」
「金がない」
「暇がない」
「ゲーム作りと私、どっちが大事なの? と言われた」
等々、障害のバリエーションは無限に考えられます。
こういう時、通常の対処方法は、
「問題点の原因は何か」
を考えます。
その次に
「その原因を無くすにはどうしたら良いか」
を考えます。
そして、大抵「もっと頑張る」という漠然とした言葉で決着をみます。
頑張るだけでは解決できないから、問題になっているわけですが、とりあえず「頑張る」という言葉にすがりつきます。
厳しい言い方をするなら、それは「思考停止」です。
でもこれはまだましなパターンです。ともすると、
「誰が悪いのか」
という、犯人探しと糾弾が始まります。
これは新たな問題の発生です。
何より怖いのは
「問題だ、問題だ」
と言っているうちに、自信がなくなってくる事です。
問題にほんろうされているうちに「自分自身に問題があるからだ」という、自己否定がどんどん強まってくるからです。
生きがいを見つけるために始めた創作なのに、いつの間にか、生きづらくなるほど自分を追いつめてしまうのがクリエイターの性かもしれません。
では、どうすれば良いのか?
プロジェクトが上手くいかなくなった時、まず、
「何が問題ではないのか」
をリストアップしていく事をお勧めします。
ものごとは問題点よりも上手くいっている事の方がずっと重要です。
上手くいっている事をリストアップしていく事で、問題なのはゲームのプロジェクトのごく一部だという事が分かります。
それが分かれば、プロジェクトを全否定したり、自分を全否定したりする思考停止から免れることができます。
「どこが問題ではないのか」「何が上手くいっているのか」を考える事は自己不全感を解消し、脳を活性化する効果があります。
まず、頭の回転を良くしましょう。
上手くいっている事のピックアップは、プロジェクトを細かく検証する必要があるので、実はかなり大変ですが、
ぼんやりとした現状の全体像をはっきりと把握する効果があります。
最悪の場合、問題点は山積みの割に、上手くいっている事はほとんどない事も考えられます。
それは悲痛な結論ですが、そのプロジェクトの根本的な欠陥が明らかになったという事です。
泥沼の上に家を建てることはできません。
「今までの経験を活かす」ということを大前提として、次のプロジェクトを立ち上げる決断をとることもできます。
また「努力をする人ほど大きな問題がふりかかってくるもの」ということも知っておいて損はありません。
前章に書きましたが、遅刻しても平気な人にとっては列車の遅延はかったるい程度です。
しかし、常に遅刻しない努力をしている人には列車の遅延は大きな問題になります。
努力すればするほど、多くの不安やトラブルを抱え込みながら、理想のゲームの完成を目指す事になるわけです。
問題点が出てくるのは努力の証です。だから自信だけは無くさないで下さい。
「今までの自分は何ができていたのか」をまず確認しましょう。
この場合のコツは「自分はまだまだ大した事はできません」という値引きをしないこと。
傲慢なくらいがちょうど良いのです。
小さな事でもかまいません。できる事をたくさん挙げましょう。
問題点の解決策を考えるのはそれからです。
皆さんが直面している諸問題が解決できる事を祈っています。
現在、特に問題がないからといって「自分は努力が足りないのでは?」と、わざわざ問題にする事はないですよ。
念のため。
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