コスモ心理研究所-0411-

■■禁止令を発見せよ!■■


トーバー
では博士、人生脚本の書きなおし方を教えて下さい。

ここ子
ねえねえ! いったい何から始めたらいいんですか?

博士
まずは、自分のネガティブな人生脚本が何なのか。
これに気づく事から始めなければならん。

トーバー
なるほど、それはもっともですな。
しかし、何を手がかりに探せば良いのでしょうか?

博士
ネガティブな人生脚本を知るには、その源を探すこと。
それが手がかりになるんじゃよ。

ここ子
でも、人生脚本の源って、いったい何なんでしょう?

博士
それは「禁止令」じゃよ。

ここ子
禁止令?

博士
禁止令とは、幼い頃の体験から作り上げた、自分自身のルールなんじゃ。

まずは、その種類をいくつか挙げていこう。


●楽しんではいけない

博士
親から「遊んでばかりいないで勉強しなさい!」と言われ続けたりすると、
「楽しんではいけない」という禁止令が生まれることがある。

ここ子
あたしも子供の頃はよく言われてましたけど、やっぱり遊んでばかりいましたよ。

博士
うん。子供の頃のAC(素直な子供の心)の高さや、
周りから与えられる無条件のプラスのストロークの多さによっても違いが出るからね。

肝心なのは、言葉そのものよりも、本人がその言葉をどう受け取ったかなんじゃよ。

トーバー
ここ子さんは結果的に、親の言いつけに従順になりすぎなかったのが良かったのですね。

ここ子
遊んでて良かったと思ったのは初めてです〜!

●実行してはいけない

博士
子供は何にでも挑戦したがるものじゃ。
そんな時に「危ないから止めなさい」「おとなしくしてなさい」と
言われ続けると、この禁止令が生まれる。

トーバー
行動力が無くなったり、消極的な性格になってしまうわけですね。

ここ子
じゃあ、あたしが部屋の片付けを実行しないのは……

トーバー
禁止令ではありませんな。


●男(女)であってはいけない

博士
「お前は女に生まれてくると思って、名前を考えてなかった」とか、
「男に生まれてくれば良かったのに……」
と言われて生まれる禁止令じゃ。

ここ子
女って、よく「男に生まれれば」とか言われるんだよね。

それが原因で、男と張り合おうとしたり、男嫌いになっちゃったりするんですよ。

トーバー
私は言われた事がありませんが……

ここ子
分かってるよ!


●皆と仲良くしてはいけない

博士
「あんな友達とつきあっちゃダメ!」と言われ続けたり、
親が非社交的だったりする場合、この禁止令が生まれる。

ここ子
この禁止令があると、人づきあいを避けるようになったり、
引っ込み思案になったりするんですね。

トーバー
私が子供だったら「ここ子さんとつきあってはいけない」と
きつく親に言われたかもしれませんね。

ここ子
それはこっちのセリフだ!

博士
君達は本当に仲が良いのう。


●成功してはいけない

博士
何をやっても親から「そんなんじゃダメだ」とか、
「どうせ何をやっても無駄だ」と言われ続けると生まれる。

ここ子
野口英世に生まれた禁止令だね。
成功しても、それを帳消しにするような事をしちゃうんですね。

博士
自己破壊的な行動に出るだけじゃないよ。
努力しても、結果が出る前に途中で投げ出してしまったり、
結果を出す事を避けて、先伸ばしにしてしまう場合もあるんじゃ。

ここ子
あたし、そういうところがあるかもしれない。
頑張ってる途中で虚しくなって止めたものがいっぱいあるもん。
なんか、意味無いんじゃないかと思っちゃってさ。

トーバー
ここ子さんも、小物なりに小さい挫折を繰り返していたというわけですな。

ここ子
小物って言うな!



博士
というわけで、自分に対して何かの抵抗感があったり、
必死に否定しようとするこだわりがあったら、
それは自分に何らかの禁止令が働いているのかもしれないな。

ネガティブな人生脚本を書きなおすためには、
まず自分にかせられた禁止令が何なのかを知ること。

これが肝心なのじゃよ。

トーバー
ここに挙げたもの以外にも、禁止令は沢山あるのでしょうね?

博士
うむ。
その他の代表例だと
「信用してはいけない」
「感情を出してはいけない」
「健康であってはいけない」
「成長してはいけない」
等、沢山あるぞ。

NOという、禁止の形ではなくても、
「完璧でなければならない」
「早くしなければならない」
「もっと努力しなければならない」
等、「ねばならない」という形のものもあるんじゃ。

トーバー
禁止令を持っている本人は、それが禁止令だという事に気づかず、
当たり前の事だと思っている場合が多そうですな。

ここ子
たしかに、
「しっかりやれ」とか、「モタモタするな」とかって
割と普通に言われる事だから、禁止令というよりも
常識なんじゃないかと思っちゃうもんね。

トーバー
そういえば、「巨人の星」の歌は、禁止令の歌とも言えますなあ。
星飛雄馬も野球人形になるわけですよ。

ここ子
あんたはいつもそんな事ばかり気づくんだから。

でも、禁止令も割と身近なものって事だね。
身近なものって、普段は気づきにくいだけに、
自分にどんな禁止令があるのかをしっかりチェックする必要があるんだね。

博士
それじゃあ、禁止令をチェックするコツを伝授しよう。

ゆううつな気持ちになる、急き立てられる気持ちになる、プレッシャーを感じる時が
ワシらには時々あるよね?

ここ子
ええ。だいたい物事がうまくいかない時とか、自信が無い時ですね。

博士
今までをふりかえって、自分が不安定な気持ちになるのがどんな時かを考えると、
自分が自分に対して命令しているものが見えてくるはずじゃ。

それが禁止令なんじゃよ。

トーバー
なるほど、自分が辛い時に、自分を追い込んでいる命令が何かを突き止めるわけですな。

博士
自分の辛い体験を思い出す以外にも探し方はあるぞ。

自分が好きな言葉や、嫌いな言葉について、その理由を考えてたり、
自分が好きな映画のシーンや人物について考えてみるのも良いね。

ここ子
それで禁止令が分かるんですか?

博士
うん。自分が好きなものや嫌いなものに反応するのは、
自分の価値観が影響しているわけじゃからな。

自分の価値観には禁止令が含まれている事も多いんじゃよ。

ここ子
はぁー。いろいろな所に禁止令って隠れてるんですね。
そんな普通の生活の中にも禁止令が隠されてるかと思うと
禁止令を探すのが怖くなってくるなあ。

博士
たしかに自分の禁止令に気づくのは愉快な事じゃあない。

でも、禁止令に気づくのは、暗い過去を悔やむためじゃないんじゃ。
これからの人生をより明るく生きるためだという事を忘れんようにね。

ここ子
そういえば…… あたし、行動力はある方なんだけど、
何故か結果に繋がらないなあと思ってたんだよね。

いつも、このまま続けてもどうせダメだ。
っていう虚しい気分になっちゃって……

最近は、人生そんなもんだと思って諦めてたんだけど、
やっぱり「成功してはいけない」って禁止令があるのかもしれないな。

博士
うんうん。
そして、禁止令に気づいたら、「それを禁止しなくてもいい」という、
許可を自分に与えるんじゃ。

それがすなわち、「人生脚本を書きかえる」という事なんじゃよ。

ここ子
はい!
あたし、「止めなくてもいいんだ」って決めます!
とりあえず、心理学の勉強はね!

博士
そうそう! その意気じゃ!!

ここ子
ねえ。博士。
禁止令って一人、一つずつしか持ってないんですか?

博士
いや。人間が体験する事は様々じゃ。
だから、一人の人間は禁止令いくつも持ってるんじゃよ。

ここ子
じゃあ、あれもいけない。これもいけないって思いながら、
どんどん自由が無くなっていっちゃうんですね。

トーバー
ということは、人生脚本も一つでは無いという事ですか?

博士
そうなんじゃ。人は皆、いろいろな脚本と共に生きている。
それが、様々な局面で表に現れてくるんじゃよ。

ここ子
そっか〜。あたしもいくつ持ってるのか、分からないのか。
これから気づいていけば良いわけだね。

トーバー
長い道のりになりそうですね。
しかし、ご安心下さい。私も協力します。

さっそく様々な禁止令をリストアップしてみました。

「TVは部屋を暗くして、近くで見てはいけない」
「ガムを飲みこんではいけない」
「かさぶたをはがしてはいけない」
「ライダースナックを捨ててはいけない」
「コタツで寝てはいけない」
「地球人に正体を明かしてはいけない」

さあ、遠慮なくチェックして下さい。

ここ子
…… さっそく止めたくなってきた。



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