ユウセイ写真館

2009草加こどもまつりユウセイダーショー

『泣いたユウセイダー』


毎年、恒例の草加こどもまつり、ユウセイダーショー。
今回はタイトルも趣向が違うぞ。




いつものように、元気にお姉さんが登場。
みんなと一緒にユウセイダーの名前を呼ぶと……

何かが落ちてくる音に続いて、
「ドカーン!」
という爆発音が鳴り響いた。


現れたのは、身の毛もよだつ恐ろしい姿をした
その名も「赤鬼」だ!

赤鬼
「うぅ〜ん。ここはどこだ?
 ああ、すごく空の青い星だなあ」



お姉さん
「あなたは誰!? さては、お祭りを狙う悪いやつね!
 この会場を攻撃するつもりなの?」

赤鬼
「え……、そんな、どういう意味?」

慌てる二人をつつみこむかのように、またしても大爆発音が鳴り響く!



ペタ将軍
「ふはははは! 今年こそは世界の中心、埼玉県草加市!
 その全ての中枢、青柳小学校を征服してくれようぞ」

またまた今年も草加の危機だ!

つっかかるお姉さんに余裕しゃくしゃくの将軍。

ペタ将軍
「今年は強力な助っ人にお任せしているのだ
 銀河星雲から呼んだ、最強の宇宙恐竜怪人だぞ!」

お姉さん
「ええ〜、じゃあさっき宇宙から落ちてきた、恐ろしい鬼は……」

赤鬼
「え? え?」


お姉さん
(深呼吸して)
「キ・イ・ヤ・ア〜ッ!!」

お姉さんの悲鳴が天に届いたか、
どこからか聞こえる、頼もしい声

ユウセイダー
「他人に頼るは隙が生じる!」



たちまちバグッターを蹴散らすユウセイダー。

その戦いを余裕で見つめるペタ将軍。

オロオロしながら見ているだけの赤鬼。


バグッターではかなわないと見るや、
ペタ将軍は赤鬼に声をかける。

ペタ将軍
「じゃあ、用心棒先生、後は頼みました。  一同退散!」



慌てる赤鬼。

赤鬼
「ちょっと待って、これ、どういう事?」
しかし、バグッター達も、長居をしてはたまらない。
赤鬼を残して逃げ去った。



ユウセイダー
「おい用心棒! かかって来ないなら、こっちから行くぞ!」

やる気満々のユウセイダーと、仕方なく戦う赤鬼。

赤鬼は力は強いが、パンチは大振りだ。
ユウセイダーはヒラリ、ヒラリとかわし、赤鬼に一撃を加える。
ひっくりかえる赤鬼。



ユウセイダー
「何だお前、そんな腕で本当に用心棒なのか?」

お姉さん
「ユウセイダー! こいつは宇宙からやって来た恐ろしいヤツなのよ!」

赤鬼
「違うんだよ〜!  ああ、せっかくこんなに綺麗で楽しそうな星に来られたのに……」



ユウセイダー
「綺麗で楽しそうな星?」

お姉さん
「怖いわ、ユウセイダー、早くやっつけて!」

ユウセイダー
「お姉さん、あとは俺に任せて、ゲームの準備をしててよ」

お姉さんは、怪訝そうに去っていき、
ユウセイダーと赤鬼の二人が残った。

ユウセイダー
「お前、本当は何をしに来たんだ?
 宇宙を戦い歩いていたヤツとは思えない」



赤鬼
「ぼ、僕は……
宇宙を放浪している最中に、この星を見つけたんだ。
楽しそうに遊んでいるみんなを遠くから見てるだけじゃなくて、
一緒に遊びたかった。

いろんな人がいて、けんかをする子供もいたけど、
それでも一緒にニコニコできたらいいなあって思ってた。
でも、僕の姿は、怖かったのかな?
それなら、みんなの笑顔の邪魔をしないように帰ります。

怖がらせてすいません」

ユウセイダー
「そうか……、君は俺と同じなんだ
 俺は、この地球に来たとき、何も分からなかったけど、
 みんなが俺を友達って言ってくれたんだ。  君だって、地球を好きな友達だ!」

赤鬼
「ありがとう!」



ユウセイダー
「さて、赤鬼君がみんなと友達なるには……
 そうだ!  俺が赤鬼君より恐ろしいヤツだったら、
 みんな赤鬼君をいい人だって分かってくれるぞ!」

赤鬼
「え? 何か違う気がするけど。
 それに僕はそこまで……」


ユウセイダー
「そうと決まったら行動開始!
 いいか? これからみんなとゲームをするんだけど、
 君はしばらくしたら戻ってきてくれ。
 きっと上手くいくぜ!」

ユウセイダーの勢いにのまれて、去っていく赤鬼。



赤鬼と入れ替わりにお姉さんが入ってきた。

お姉さん
「ユウセイダー、お待たせ! イス取りゲームの準備ができたわ!」

ユウセイダー
「へえん、そう?」

お姉さん
「疲れてるの? なんか様子が変ね、
 ユウセイダー、イス取りの見本を一緒に見せようね

 音楽が鳴ったら、イスの周りを回るのよ!」



音楽が鳴ってもやる気の無いユウセイダー。

ユウセイダー
「ヘッ! 社長のイスなら狙ってやるけど、
ヒラのイスなんてマッピラだ」

お姉さん
「ちょっと、何言ってるのよ」

ユウセイダー
「何ぃ! オレ様が本音を言っちゃ悪いってのか?」

お姉さんにつっかかるユウセイダー



赤鬼
「どうしたんだ、ユウセイダー!
 君は優しい人だと思っていたのに。
 お姉さんをいじめるなんて!」

お姉さん
「あなた、私を守ってくれてるの?」

ユウセイダー
「オレ様は、いい人ぶるのは止めたんだよ!」

ユウセイダーは二人に襲いかかった。



赤鬼がお姉さんを守る。
怪力にはね飛ばされるユウセイダー。

ユウセイダー
「ちくしょう、所詮オレは目立ちたがりのローカルヒーローさ!
 田舎に帰って暮らすさ!」

ユウセイダーは、嫌味を言いつつ去っていった。



ユウセイダーに変わって、お姉さんとイス取りゲームをした赤鬼。
みんなともすっかり仲良しだ。

お姉さん
「あなた、本当は子供が好きな優しい人だったのね」

赤鬼
「僕もみんなとお友達になれて、とっても幸せだよ!」

お姉さん
「良かった。これでユウセイダーも一緒だったら……
 ううん、あんな人もう知らない!」

赤鬼
「ユウセイダー……」



そこに、再び現れた、ペタ軍団!

バグッターが襲いかかる。



赤鬼は二人のバグッターに押さえつけられるが、
逆に振り回す!

赤鬼
「お前達! 乱暴は許さないぞ!」



そこに、ゆらりと現れた男。

宇宙スペース用心棒、シャカシャカだ。

シャカシャカ
「貴様が我が名をかたったニセ者か。
 本物の力、とくと見よ!」



笑顔を守る為、シャカシャカに挑む赤鬼!
しかし、戦闘のプロには歯が立たず、
赤鬼はもろくも倒れた。

赤鬼
「僕は死んでもいい! みんなには手を出すな!」

シャカシャカ
「世迷言を…… ならばくたばれ!」



その時、黒いマントを羽織った、うつむき加減の男が、
影のように現れた。

ユウセイダー
「子供しかるな来た道を、年寄り笑うな行く道を。
 自分を活かせたくば、他人(ひと)活かせ」

シャカシャカ
「ええい、貴様、何者だ!?」



ユウセイダー
「名無しの、権兵衛!」

赤鬼の「ユウ……」というつぶやきを制し、
ユウセイダーは立ち上がった。



ユウセイダー渾身のパンチ!
しかし、シャカシャカの厚い鎧に阻まれる。

ユウセイダーは、次第に劣勢になり、
そして倒れた。



その時、ユウセイダーの前に立ちはだかったのは、
赤鬼だった。

赤鬼
「ユウセイダー!」



シャカシャカ
「邪魔だ! どけい!」



怒りに燃えて立ち上がるユウセイダー。

ユウセイダー
「お前は、俺の友達を邪魔者扱いした。
 決して許すわけにはいかない!」



復活したユウセイダーは、
蝶のように舞い、蜂のように刺す。

シャカシャカ
「ば、馬鹿な、これほど強い奴が、こんな星にいたとは……」



ユウセイダー
「ならば覚えておけ。
 ユウセイスパークリングキィーック!」

荒ぶる怒りに燃えた、喧嘩キックが炸裂!
悪い奴らは消え去った。



ユウセイダーは名乗りも決めず、お礼を言おうとする
お姉さんの前を、冷たく突き放すように去った……



お姉さん
「ユウセイダー、本当に変わっちゃったのね……」

赤鬼
「僕のためなんだ……  ユウセイダーは、僕とみんなを仲良くさせるため、
 乱暴なふりをしてたんだ。
 あんないい友達を辛い目に合わせて、
 僕はみんなと仲良くする資格なんか無いんだ」

号泣する赤鬼に、お姉さんは優しい手を差しのべた。


お姉さん
「違うわ。あなたも一生懸命私達のために戦ってくれたじゃない
 その心は真実よ。あなたの心にも輝く星があるのよ」

赤鬼
「お姉さん……」



その時、輝く星を持つ、もう一人の男は、
舞台の端から顔を出したり引っ込めたり
していたのだった。



始めは居心地が悪そうだったユウセイダーだったが、
赤鬼がユウセイダーに勇気をくれた。



最後は、みんな仲良し!

でも、ユウセイダーはお姉さんと仲良くなりすぎだ!


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